※2期
※わりと意味不明



暗い部屋だ。人工的な灯りも無ければ自然の灯りも無い。暑くも寒くもない。時間も解らない。小さな窓の外もペンキで塗りたくられた様に真っ黒だった。簡素な家具が整然と並べられているが、形式的で生活感を感じられない。それが今俺がいる場所の全て。ただ、一人ではない。目の前に吹雪が立っている。けれどその空気は試合中の彼に近かった。俺は吹雪を見ていたし、吹雪も俺を見ていた。互いに無言を貫きつつ、馬鹿みたいに見つめあう。不意に、目の前の形の良い唇が動いた。

「あいしてる」

唇の動きだけを追っていたから、何を言われたのか理解するのに時間がかかった。どうやら俺は吹雪に愛されているらしい。何か言おうとしたところで、自分の声が出ないことに気が付いた。その意味を込めて首を振ると、しかし吹雪は何か勘違いしたらしい。瞳に獰猛な光が宿る。

「あいしてくれよ、おれを」

喉に冷たい何かが絡み付く。氷か雪と間違えそうなその何かは、吹雪の手だった。この部屋は暑くも寒くもないのに、真冬の空に放り出されているのかと間違える程冷たい手。その持ち主である吹雪は俺と視線を交わしている筈なのに、俺を見ていない。吐かれる言葉の羅列。羅列。

「俺を、士郎じゃなくて俺を見て。寒いんだ。痛いんだ。怖いんだ。一人は嫌なんだ。×にたくない、愛してる、愛して、一緒にいて」

喉に絡み付く手の力がどんどん強くなってきた。それにしても、さっきからずっと俺に触れているのに吹雪の手はちっとも温かくならない。幼馴染に人間カイロと呼ばれている俺としては少し悔しかった。だから、振りほどかなくても良いかな。なんか眠くなってきたし。吹雪の手が温かくなりますようにと思いつつ、俺はゆっくりと意識を落とした。


私を愛せないのなら死んで下さい


「っていう夢をみたんだ」
「ふうん。…あ、キャプテン」
「ん?」
「その首の手形ね、目立つから隠した方が良いと思うよ?」





なんていうか…ベタなホラーみたいになってしまった…。アツ円と言い張りま!す!
2011/02/13 23:17




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