>>今日死ぬみたいです (ヒロ円)

俺の恋人はとても恥ずかしがり屋。勿論そんなところも数有る彼の魅力の一つだから、愛しいことに違いはない。それでも、人間というのは不便なもので、言葉にすることでしか明確な意思の疎通をすることが出来ないのだ。

「円堂くん、俺のこと好き?」
「なっ、何言ってんだよヒロト!」

そう言って赤くなる円堂くん。その反応が俺への答え。ああ、可愛いなあ。大好きだなあ。言うとまた照れて口をきいてくれなくなるだろうから、言わないけど。…でも、やっぱり円堂くんの言葉で好きって言って欲しいんだ。我儘かな。俺から告白した時も円堂くんは頷いただけだった。それも、人間として限界なんじゃないかと思うくらい、耳や首筋まで真っ赤にして。いっぱいいっぱいな様子で小さく首を縦に振っていた円堂くん。そんな彼にこれ以上を望むのは酷なのかもしれない。今度こそ赤くなりすぎて死んじゃうかも、なんて思って、自分の馬鹿な考えに苦笑した。円堂くんに意識を戻せばどこか不安そうにちらちらと俺を見ている。いけない、ぼんやりしていたせいで黙りこんでいたみたいだ。

「…ひ、ヒロト」
「ああ…ごめんね円堂く、」
「すっ、…すすす、す…き、だ」

冗談だよという言葉は音にならず、彼の発した声を頭の中でオールリピート。すすすきだ。すきだ。好きだって。円堂くんが。俺を。俺、に?…あ、やばい、

「世界で一番、好きだからな!」

俺死んだ。嬉しすぎて。

今日死ぬみたいです


title by NIL




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