成り代わり | ナノ

金吾成り代わり


三年生設定。



 今日は朝から頭が痛かった。じっとしていても、目をぎゅっと瞑ってみても治らなかった。何かおかしなものを食べたっけ、昨日は夜更かししてないし、いつも通り過ごしていたはずなのに。でも、だからと言って授業を休むわけにはいかない。わたしはもう三年生なんだから。休んだりしたら、授業に遅れちゃう。
 ふらり、ふらりと、おぼつかない足取りで名前は三年は組の教室に向かった。名前は真面目な性格なので、体調が悪いからといって授業を休む。なんて考えは頭になかったのである。

「おはよう…」
「おはよう、名前。…どうしたの?体調悪いの?」
「はにゃあ、そういえば名前、昨日の夜から具合悪そうだったよねえ、大丈夫?」
「ええ!?名前、どうしてすぐに私のところに来ないの!?」
「え、ええっ?」

 挨拶をして席に付こうとすると、乱太郎と喜三太に道を塞がれた。あれ、わたし、そんなに顔色悪いのかな。ていうか、乱太郎の目が怖いのだけれど…、ううん、これは何にもないじゃ逃げられないな。ううーん、あ、まただ、お腹痛い。
 しばらく何も言わないでじっと立っていると、ぽん、と肩を叩かれた。なんだと思い前を見ると、満面の笑みの乱太郎と、真っ青な顔の喜三太がいた。…乱太郎さん、お怒りですか。わたし、怖くて泣きそうです。なんて言えるわけもなく、乱太郎に手を引かれて、教室の自分の席に座らされた。

「ら、らんたろ…あの、わたし大丈夫、です」
「昨日何食べた?」
「え?」
「良いから答えなさい!」
「ごめんなさい!」

 鬼の形相で迫る乱太郎に若干引きながらぽつぽつ答えていく。昨日どれくらいの時間に寝たか。という質問まで言った所で、すっぱーんといい音を立てて障子が開いた。飛び込んできた二つの影と、それに乱太郎が潰されるのは同時だった。

「おはよう諸君!」
「ぶふっ」
「良い朝だな!あれ、なんか踏んだ…うわあ乱太郎悪い!」
「わああああ乱太郎うう!」
「はにゃあ!?乱太郎大丈夫う!?」

 悪びれなく笑う筋肉馬鹿二人をきっと睨みつけて乱太郎の上から退かす。喜三太と二人で必死に乱太郎を揺らして、名前を呼んでいると、しんべヱときり丸がやってきて、乱太郎をこんなふうにした犯人、虎若と団蔵を殴った。鈍い音が響いて目の前の馬鹿二人がスローモーションで倒れていく。あー、やりすぎたわ。なんて呟いているきり丸を恐ろしく思いながらも慌てて虎若と団蔵を見に行くと、二人は気を失って倒れていた。どれくらいの力でやったの。と呆れ気味に言えば、きり丸としんべヱは二人そろって全力で。と答えたのだった。

「…保健室はこぶから、手伝ってね」
「タダだろー?」
「タダでもやるの!」
「ちぇっ」
「僕、虎若運ぶね」
「ありがとうしんべヱ、じゃあ喜三太とわたしは乱太郎。きり丸は団蔵ね」

えー、と口をとがらせるきり丸の頭を叩いて、教室を出る。はあ、疲れた…。あれ、なんだろう。更に頭が痛くなった…。
そこまで思って、ふと気づいた。
わたしの頭痛、こいつらのせいだ。


夜中のテンションで書いたから落ちが無いわ…
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