ザラ成り代わりとメヨーヨとオージェ
ゲーム持ってないのでオリジナルです。
しかもなんかギャグっぽい
「あなたは、いつお嬢様を自由にしてくださるのですか」
「返してほしいか」
「ええ。彼女はわたしが、心から生涯尽くすと決めたお方ですから」
無表情で言い放ったわたしに、メヨーヨは眉間に皺を寄せた。それを見たオージェがあーあ、と小さく声を漏らす。そんなことより、はやくお嬢様を自由にしてはくださらないだろうか。パールもリッチーも、みんな心配しているのだから。目の前にいる白が揺れた。
無理だな
「っ何故。」
「文句でもあるのか。」
「文句なんて腐るほどあるにきまっているでしょう!お嬢様を返してください!皆心配しているのです!」
「それは無理な相談だな。あいつはロベイラ種だぞ?そんなに簡単に手放せるわけがない」
美しく笑う彼に、わたしは気が遠くなった。この人、絶対お嬢様を自由にする気はないんだわ。さて、ここから如何するべきか。彼らはきっと、お嬢様には会わせてくれないだろう。…会いたい。一度聞いてみるが、答えはやはりNOだった。お嬢様…。ご無事だろうか、お腹を空かせてはいないかな。今は、わたししか、助ける事が出来ないのに。しばらく黙っていたメヨーヨが、薄く口を開く。そして私は、その言葉を聞いた後に目を見開いた。
「い、今、なんと仰られたのですか…?」
「兎種は本当に万年発情期なのかと、聞いたのだが」
「今それを聞く意味は」
「気になったからだ」
「……だったらなんだっていうんですか。今それは関係ないでしょう」
ああ、顔が熱い。彼が王様じゃなければ顔面に蹴りを入れているところだ。恥ずかしすぎて耳が垂れてきた。これは私の癖である。照れたりすると耳が垂れるのだ。
「照れてるの?かーわいー」
「ひっ」
後ろから耳に息を掛けられて変な声がでた。いやああやめて耳は本当にもう、だ、駄目なんですよ!若干涙目になりつつ後ろにいるもう一匹、オージェから距離を取るも、逃げた先にはなんとメヨーヨがいた。ニコリと微笑まれ、訳も分からずわたしも微笑み返す。
そうだな、フィオナを傷つけてほしくなければ、お前、私たちの玩具になれ。
その言葉を聞いた瞬間、血の気が引いた。持ち前の俊足で逃げようとするも耳の根元を弄られてしまい腰が抜けてしまった。くそっ、くそっ!だれだ、兎種に耳の根元なんていう弱点を付けたのは…!まさか私だけ…?そんな事を思っていると、宙に浮く感覚が。
「…え」
「さーて、じゃあ兄さん。この子最初に俺が貰っていーい?」
「ああ、好きにしろ」
「…え、え!?ちょっ、やっ離して、お嬢様あっ!」
扉が閉まる音だけが、やけに響いて聞こえた。