短編 | ナノ

キルアと勉強


現パロ 

「キッルッア!」
「かっえっれ!」
「ちょっと!そんな全力で扉閉めないで痛い!いたたたた、足!足挟まってる!」
「いや、わざとはさんでる」
「意味わかんない勉強教えなさいよ馬鹿キルア!」
「人にものを頼む態度じゃない。もっと会社の上司に頼むみたいにして」
「お前どこぞのネットゲームの世界的チャンピオンか!」
「そうだけど」
「ああそうだった!あんたこの間ゲームの世界大会で優勝してたわねこのゲーマーが」
「あーあ、勉強教えてやろうと思ってたのにー。」
「ウワアアアごめんなさい教えてくださいマジでやばいんですお願いしますキルアさまあ!!」
「チョコロボ君。」
「ふっふっふ。こんなこともあろうかと!持ってますよ!」
「よし、入れ」
「あざーっす!」

とまあこんな感じの攻防を続けわたしはやっとキルア宅へと足を入れることを許されたのであった。あ、チョコロボ君はもちろんキルアに渡しましたよ。ふう、と息をついてキルアの部屋へと進んでいく。なに教えてほしいの?つーか何が分かんないの? え?全教科教えてほしいし何が分かんないのかも分かんない。そう告げるとキルアは本物の馬鹿、というかゴミを見るような目でわたしを見て、鼻で笑った。

「鼻で笑うとかマジありえないんですけどー。なんでお前が女の子にモテんだよ」
「え、なに?ミケと遊びたい?」
「死刑宣告ですね分かります」

丁重にお断りさせていただきます。あんな狂犬と遊ぶなんてすなわち死を意味している。…誰が喜んで遊ぶの!?ていうかさっきの台詞をどう聞いたらあいつと遊びたいと言うことになるんだ教えてくれ。なに?口が悪い?知ってる。キルアはいつの間にかオレンジジュースを持っていて、気付いたら部屋の前でキルアが部屋の扉を開けながら此方を見ていた。

「はいんねーの?」
「あ、ども。いやー、ごめんね。」
「別に。ていうか、お前が勉強を自分からするって言い出したことに感動を覚えたわ」
「あはは、マジで?
 実は最初、ゴンと二人で勉強してたんだけどね」
「馬鹿同士で勉強するとかなんでお前らそんなに馬鹿なの?俺呼べよ」
「ん、わたしはそのつもりだったんだけどね、キルア、この間ゴンと喧嘩したでしょう?だからゴンが、俺は絶対にキルアに頼らずにこの課題終わらせるんだーって意気込んで」
「結局ゴンが寝た、と」
「仰る通り。ゴン、寝言でキルアごめんねーって言ってたよ。早く仲直りしてね」

教材を出しながらキルアにそう言うと、彼は少し間を開けて、気が向いたらな。と言った。本当は仲直りしたいくせにー。ツンデレかーい?キルアくーん。ひゅーひゅー!なんて思っていると、キルアの掌がわたしの頭を潰さん勢いで掴んでいた。
お前今なんか余計なこと考えたろ。 …まっさかー! あ? …ごめんなさい!
謝ったよ。だからその手の力を抜いてもらってもいたあああああっ!

「キルアごめんって!」
「ったく。ほら、最初は英語からやんぞ」
「正直さ、英語って、私たちがやる意味ないと思うの。将来絶対使うって人だけ、勉強すればいいんじゃないかな。だってね、英語って本当は」
「はい。今から勉強と関係ない事言ったらデコピンいっかーい」
「えっやだ。キルアのデコピン痛いんだもんいっだい!?」
「一回目ー」
「ちょ、っだあ!」
「二回目ー」

駄目だ。これ以上口を開けばまたデコピンされてしまう…!よし、これならどうだ!

ちょんちょん。

「なんだよ?」
「(紙に書けばいいんでしょ!)」

ノートの端に「キルア大好きー!」と書いてそれを見せる。もちろんわたしはドヤ顔だ。いっつもやられっぱなしだからね!これくらいはやり返しても罰は当たるまい!キルアは目を見開いて固まり、なにを書いてあるか理解できていないようだった。

「(勝った!)」
「………っおらあ!」
「ぎゃん!」

勝利を確信し心の中でガッツポーズを決めた瞬間、頭の上にチョップが降ってきた。痛い。ものすごく痛い。女の子になんてことを!

「ちょっと!いたいんだけ…ど……?」

言い返してやろうとキルアの顔を睨むと、そこには柄にもなく顔を真っ赤にしたキルアがいて、わたしは目をぱちくりとさせて、キルアを見る。キルアは目を泳がせた後、ぐしゃりと前髪を掻き上げて蹲る。キルアは耳と首まで真っ赤になっていて、つられて何故かわたしの顔まで赤くなってくる。

「あ…あの…キルア」
「…んだよ」
「ご、ごめんね?」
「…うっせ。…ほら、英語すんぞ!」
「あ、うん…」

結局そのあとは二人とも終始無言で、とても勉強なんてできる雰囲気じゃありませんでした、まる



キルアって絶対ウブだと思う。そして名前変換とは。

2013/04/03

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