短編 | ナノ

燐と暗い話


セックスやコンドーム、レイプなどの言葉が出てきます。
苦手なお方はお控えくださいませ。
突然終わります。





人間はとても愚かな生き物だと思う。愛してもいない相手に愛していると囁き、そして用がなくなったら捨てる。嘘を嘘で塗り固め、そうして生きていく生き物だ。すべての人間がそうだとは限らないけれど、たいていの人間はそうだと、わたしは思っている。そう、目の目に居る男、悪魔の落胤である奥村燐だって、きっと。

「燐」

わたしと奥村燐は、世間一般で言う恋人と言う関係にある。「形だけ」の恋人同士だが。わたしが名前を呼ぶと、直ぐに振り返って柔らかく笑う彼に吐き気がする。そんな嘘の笑みを、わたしに向けないでほしい。

「ねえ、燐」
「おう、なんだ」
「燐はさあ、人って馬鹿みたいだと思わない?愚かだと思わない?」

そう言うわたしに、燐はただ首を傾げるだけだ。しまった。彼は少し頭がよろしくなかったな。分かりやすいように、というかわたしが今思っていることを吐きだしたい。彼にすべてぶつけてしまえば楽になれるのだろうか。まあ、いいか。すい、と燐の方に視線を向ける。燐もこちらを見ていた。

「だってさあ、人は好きでもない人に好きだっていえるんだよ。愛してないのにセックスできるんだよ。それで子供が出来るんだよ。たとえ愛があって子供が出来たとしても経済的に子育て出来ないから堕ろせって言われて、じゃあ仕方ないっておろす馬鹿な女がいて、責任もとれないくせにコンドームなしでセックスして、またそれの繰り返しなんだよ。」
「名前、どうしたんだよ」
「レイプされても子供は出来ないなんてバカみたいなこと言ってたお偉い人いたじゃない?あの人もバカなんだ。レイプされて子供が出来てそれで苦しんでいる人がいることも知らずに、よくもまあそんな事がぬけぬけと言えるよね。」
「名前」
「なんで、レイプされても子供が出来るのかな」
「名前!!」

燐がわたしの肩を掴んで叫んだため、わたしは口を閉じた。燐の顔は困惑している。なんで、なんでそんなこというんだよ。どうしたんだよ。まるでそう言っているようだ。わたしの目は今、きっととても冷たいと思う。

「燐、痛いよ」
「どうしたんだよ、お前!」
「燐、しえみちゃんの事まだ好きなんでしょう」
「は…?」
「忘れるためにわたしと付き合ってるの、知ってたよ」

そう言うと、燐は泣きそうな顔になって、そのまま、わたしを。



前 しえみ→←燐 | 現在 燐→(←?)主
燐はもともとしえみが好きだったけど、でも自分は悪魔だし傍に居られない。
それで離れても忘れられないから同じ塾生だった主にヤケクソで告白して、主はOKした。この時点で主は、燐が自分を利用していることに気付いてる。
でも燐はだんだん主が好きになっちゃって、そのまま本気で愛しちゃう
主はそれに気が付かなくって、まだ燐が自分を利用していると思ってて、イライラしてきて、燐に本当は最初から利用されてたのを知ってたことをばらす。

主はべつに恋愛には興味がない。
ただ別に、恋人じゃなくってもセックスして子供が出来るだけでしょ。レイプされてもできるでしょ。じゃあ別にそこに愛は無いんだから、恋人と言う名目を作らなくてもいいじゃない。って言う感じ。

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