Their story ≫ 第四幕
寮部屋にて会談 其ノ四
そうだよ。
劉堂の問いに、蒼は微笑んで、そう答える。
「それが僕が与えられている、あのクラスでの役割、だから」
委員長、響山に言われなければ、あんなの、やるはずもないよ。
蒼は言い、劉堂は信じられないと言い出しそうな表情で、彼を見ていた。
「あなたは」
蒼は、劉堂に問う。
「何があっても、天城輝を好きで、守るって、言い切れる?」
微笑みながら、それでも、蒼の瞳は、笑ってなどいなかった。
だからこそ劉堂は、彼の問いかけに即座に答えることが出来ず。
「……なに、それ」
「どういうこと?って、続けるのかな。でも、天城を、好きでいるには、」
生涯を共にする覚悟くらいないと、無理なんだよ。
困惑している劉堂を前に、蒼はそう言い、微笑んだ。
「あなたは。天城輝のことが、好きなの?」
「―――――、」
言い澱んだ劉堂に、蒼は殊更、笑みを深めた。
2018.07.09