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がっしゃん!

※猫かぶり/微妙に閲覧注意


騙して誤魔化して、良い子ちゃんぶって過ごしてたんだ。
ま、生徒会連中は気付いてたみたいだけど、さ。
風紀は風紀で面白そうな顔で俺を見てるけどもとはと言えばお前らがきっちりちゃあんと仕事しないからだ。ってこと、分かってんのかね。

「兼子路」
「はいはーいなんでしょうかァ?つっかえない風紀委員長サマ?」
「許可はもらってあるが、程々にしておけよ」

あれ。使えないって言葉に反論しないんだ。と、思うのと、驚いている生徒会役員の間抜け面をおかしく思うのと、あと、必死にオレから離れようとしてでもそうできない転入生、うーん、同室者、いやいや、黒いマリモ。名前はどうにも忘れちゃうんだよなあ、ま、そんなに日数経ってないから覚えられなくてもしゃーないか。
何せオレ、二年経ってようやくクラスメイトの半分の名前覚えるヤツだし。覚える気がないのにそれでも覚えられるってすごいよな。自分で自分にはい、拍手。

「程々って、どれくらいのかなー?」

これくらい?
どす、と、鈍い音が鳴り響く。なんていうか、ま、ほとんど八つ当たりに近いけど諸々の原因はコイツにあるから仕方ない。
そういえば静かだな、って思ったら転入生の口にガムテつけた上に両手両足紐で縛ってるからそりゃあ騒がしくなくて当然だ。

「刃物は出すな」
「へーへー」

お優しいこって。と、言えば嗤われた。
知ってるよ、お前の方がえげつないって救いようがないほど残酷だって。けどさー、これでも抑えに抑えてきた衝動が、此処に来て爆発しそうなオレのがきっと、今は危険。

「出したら報告するからな」
「いやー、じゃあもう報告しなきゃ」

悲鳴が聞こえる。けど、それは遠い。うん、なんていうか、あれだ。オレの投げた折り畳みナイフ、オレを痛めつけるように指示したヤツらの方に向かって投げたらどうやら命中したらしい。すげーなオレの腕。全く衰えてねーじゃん?

「ネ?」
「……………お前な」
「だって嫌いなんだよ。憎いし汚いしだから嫌いだし、オレの視界に入るなって感じ?なー、隠蔽、できんだろ?なんてったって今までコイツのせいで退学になった奴等、無い事までやったことになって大変なことになっちまったもんなァ?そいつらのためだと思えばいい。そいつらもきっと、コイツがそういう目にあったって知れば、少しは気が晴れるだろ?」
「……………一応、理事長の甥なんだがな」
「何その一応ってウケル」

嗤いながら返せば、それでも好きにやれ、と、いう事だろうか。笑みが返ってきた。

(うん、じゃあまァとりあえず、)

がっしゃん、と、音を発てて、

(これでもかってほど、痛めつけてやろうか)

転入生を、逃げられないように捕まえた。

...BAD END?
2011.10.04


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