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しりとり

※ほぼ会話文/サヨナラ王道(笑)


「しりとりのり」
「理解できないんだけど」
「どういう事なのか説明を求める」
「流華の行動が理解できない」
「異常だとは思うけど」
「童貞とか…アイツぜってー嘘だって」
「ていうか転入生うざい」
「井之上桂太郎って言ったっけ?」
「喧嘩強くてけむくじゃら」
「ラッドが探してたって噂だったっけ…」
「ケセラも探してたって噂」
「最悪だなー、周り騙してるなんて信じられないし」
「仕方ないよ、捕まったら監禁らしいし」
「仕方ないにしても、人間性を疑う」
「うん、確かに」
「二年の美形は全部コンプだったっけ?」
「景は落ちてなかったと思うよ」
「葉も落ちてなかったな、そういえば」
「馬鹿ばかりだってことだね、此処」
「こんなところさっさと辞めちまいたいな」
「なんでそーゆーこと言うの!王道だよ!?王道なんだよ!!?」
「よし、お前そこに直れ」
「レイ君、僕のこと踏みつけるなんてなんて鬼畜!!」
「胡桃、オレは悲しい」
「痛い痛い痛い!やめてよ!!」
「吉川先輩いい加減どっか行ってくれませんか?」
「かなり痛いんだってば!!吉川先輩見てるなら助けてよ!ていうかちょ、もう!レイ君ほんとに髪引っ張らないで!!」
「でも今離したら胡桃は逃げるだろ?」
「廊下から見てる王道君たち助けてくれてもいいんじゃないの!!ていうか助けろよ!!」
「よーし、馬鹿共に助けを求める胡桃ちゃんにはオシオキしちゃおう!」
「嬉しくない!!満面の笑みで言われてもこれぽっちも嬉しくない!!」
「いい加減王道君たちのバカ面見飽きたな……」
「何言ってんの!とにかく離してよ僕のこと!」
「と言っても、社会的抹消までは可哀想だし?」
「し?じゃないし!しぬる!!!」
「(しぬる??)流華、お前いい加減そのバカげた演技やめろ」
「ろろろろろ…ない、ないって!あーもう!僕の負け!!負けだからとりあえず僕の事離して!痛い!!」

二人の遣り取りに呆然とする周りとは異なり、流華と呼ばれた、天使のような微笑みを浮かべている生徒会副会長はがらりとその表情を変えた。全くの無表情。何の感情も感じられない顔に、周りはさらに呆然とする。

「嫌だな。せっかく遊んでたのに、なーんでラッドとケセラが探してるやつがこいつだって言っちゃうかなあ?」

喚く転入生も気にせずに彼のカツラを取り上げ、ビン底眼鏡を取れば、其処には美少年がいた。

「飽きたからに決まってんだろ。景と葉から苦情も来てんだよ」

我に返った流華以外の生徒会役員は、いつの間にか逃げ出していた転入生を追いかけ、風紀もその後に続いていった。従って、この場にいるのは先程しりとりをしていたレイと胡桃、仮面を脱いだ流華並びに呆然としたまま戻ってこない生徒たちだけである。だけ、と言うのは語弊があるかもしれないが、とにかく、まともに会話をしているのはレイと胡桃と流華の三人しかいなかった。

「よって、わざとアイツらに聞こえるように僕とレイで話してたってわけ」
「景と葉は?」

胡桃が言い、それに流華が尋ねる。

「はっ!あいつ等そういえば!!!」

思い出したように叫んだ胡桃には答えず、レイが言う。

「馬鹿共をいい加減始末する、って、あの二人は理事長脅しに行ってるはずだ」
「だから最近見なかったのか」
「かなりキてたようだからなぁ、今頃怖い思いしてんじゃねーの、理事長」
「運がないとしか言いようがないな、アイツらに目を付けられるなんて」

呆れたように言った流華の表情はやはり無表情に近く、声色も冷たい。
レイと流華が嗤い、胡桃がきょとん、としている中で、足音が聴こえてきた。いまだに我に返っていない生徒たちは反応しなかったが、レイと流華と胡桃はちがった。

「手違いだって認めさせたよぉ〜」
「おじ馬鹿って恐ろしいですね。ついでに、新しい生徒会も発足させてきましたよ」
「余計な労力使うと疲れるよねぇ〜」
「え、ええ、え?」
「え?ではなくて、言ってませんでしたっけ?新しい生徒会長は胡桃、あなたですからね?」
「ね?じゃないよおおおおおおおおおおおっ!?!何、なんで僕の知らない所でそんな話が進んでるの!?聞いてない!!理解できないんだけど!?もう王道はどうでもいいけど生徒会長って、生徒会長が僕って、なにそれ!!なにそれ!!??」
「レイ、あとはよろしくねぇ〜ちなみにぃ、おれがぁ、生徒会書記でぇ、景がぁ、生徒会庶務でぇ、レイが副会長、流華が会計だからねぇ?」
「え」

驚いている胡桃をそのままに、来たばかりだった景と葉は溜まっている書類を片してくると言い、風のように去って行った。

「ええええええええええええええええええええええええええ!!???!???!??!???!?」

後には呆然とする生徒と、困惑する胡桃、そんな胡桃を見て笑っているレイと、仕方ないというように溜息を吐いた流華がいた。

2011.10.03
*吉川先輩、誰。


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