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嫌われた理由

※腹黒(?)同室者→疑心暗鬼転入生/転入生side


どうしてこんなことになったんだろう。
みんな、離れて行ってしまった。
おかしいおかしい、絶対に、変だ。
誰かが、何かをしたとしか思えない。

コン、コン。

軽く、部屋の扉が叩かれる。
オレの事あまり好きじゃないって言ってたのに。
どうして、ドアなんか叩くんだ。
嫌われ者のオレがいなくなって、清々しているんだろう。
だったら、放っておけばいい。
閉じこもってしまったオレのことなんて。

「ね。一緒にご飯食べようよ。三觜君」

彼は最初から、下の名前でオレの事を呼んでくれなかった。
みんな、オレの下の名前を呼びたくて、オレに下の名前を呼んでほしいのに。
ああ、でもそれは過去の話。今は違った。
みんな、みぃんな、離れて行ってしまった。
どうしてだろう、なんでだろう。
だけど、いくら考えたって、分からない。
なんでオレは、嫌われたんだろう?
毎日毎日、林はオレにご飯を食べようと言ってくる。
これで、三週間目。
あ。てことはオレ、そろそろ一ヶ月近く引きこもってることになるのか。
なんだかそれも、ばかばかしい。

「そんで、一緒に、学校行こう」

行かないよ。
学校には、行かない。
行けない。
あの視線に気付いてしまったから。
冷めた視線、嫌われている視線、憎まれてる視線、疎まれている視線。
気付けば、簡単な事だったんだ。

「三觜……ハル、君」

呼ばれた瞬間、思わず、扉を開けていた。
頭の中では、相変わらず同じ言葉が、ぐるぐるととぐろを巻いた蛇のように、居座っていた。

(みんな、オレの事が大嫌い)


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2011.09.29


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