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電気を点けて

※最初から滅茶苦茶/理事長*転入生の同室者


その部屋を開けた瞬間、生徒会書記と転入生は動きを止めた。

((なんだ、これ……))

二人がそう思ってしまったのも仕方がない。
本来ならば同室者が来ると聞けば片付けるであろうその室内は、何故か壁が黒く塗られ(実際は布がぶらさがっているだけ)証明は落ち、ポウ、と、仄かな光がリビングと思わしき場所から漏れている。

「な、なあ、秋人、」

動揺した転入生は、隣に立っている書記を呼び、口下手な彼は、視線で彼に訴えた。

「どういうじょうきょ……!!?!??!?」

その瞬間、パリン!と何かが割れる音がし、ガタガタと、まるでポルターガイストでも起きているような音が聞こえる。
しかし、此処で引き下がるわけには行かない。なにしろこれから数ヶ月間、一緒の部屋で過ごさなければいけないのだ、この部屋の主と。そう思った転入生は、意を決してリビングに足を踏み入れた。

「お?」
「「………………」」
「あれ?今日って誰かくるって言ってたっけ??」

不思議そうな表情をしているのは、黒髪に綺麗な整った顔立ちをしている細い少年だった。

「ん?あれ、着信???理事長???」

なんでお前がオジサンの電話番号知っているんだ!と、言うことも出来ず、転入生は不思議そうに彼の行動を見守る。
この部屋の状況も、彼の態度も、何もかもが理解できなかった。

「ちは。理事長。今時間平気なんですか?」

通話を始めた彼は実に親しい感じで理事長と話、二言三言交わすと、なるほどりょかいです。ひきうけた!と、軽い調子で言い、電話を置いた。
そのまま近くにあった紐を引っ張ると、一面黒かった壁はおそらく、本来の色(ベージュ)に代わり、また、近くのスイッチを押すと、転入生と書記が室内に入ってきてからずっと鳴りっぱなしだった物は音を止め、揺れっぱなしだった物も動きを止めた。最後に彼はとことこと歩き、パチン。と、いい音をさせて室内の照明を点けた。

「はじめまして!あなたのオジサンとお付き合いさせていただいてる明吉奏多と言います!よろしく転入生!!」
「え、あ、え??」
「ハッ!違った、違う、今の取り消し!!聞かなかったことに!!」
「えっ?」

転入生と書記は呆然と、明吉を見つめる。その視線に気づきながら、やっちまった。と言う表情をしている彼は、諦めたように笑った。

「えぇと、まぁ、いいや。後で謝れば許してもらえるよな。えーと、転入生君、名前は百々瀬光流。で、あってる?」
「え、あ、と、う、うん」
「よかったぁ。読み方間違えてなくてぇ!ももせ、じゃなくてひゃくひゃくせ、って読んだらさ、お前は馬鹿か!って、言われちゃったんだあ。だからオレ、今必死に交霊術して転入生君の名前を探ってたってわけ!!」

訳が分からない。という表情をした百々瀬に、明吉は言う。

「なんちゃって!」

なんだかいつもの自分でいられない。と、百々瀬は思い、そんな百々瀬と明吉を見比べていた書記は、百々瀬の肩を軽く叩いた。

「あ、あとこの部屋の仕組み説明しておくね!電気消さなきゃ電k「消さないでいい!!消すな!!あと説明だけで良いです!!またポルターガイストみたいなの見たくないんで!!」あ、そう?」

心なしか残念そうな表情を浮かべながら言った明吉に、百々瀬はどうしよう。と、思わざるを得なかった。

2011.09.29
*勢いと思いつきと衝動で突っ走ると本格的に意味不明で訳の分からない文になってしまう。と、いう実例。


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