other | ナノ


other ≫ box

ごめんね

※死ネタ/復讐(?)/微妙に閲覧注意//友人side


護れなくてごめん。何も出来なくて、ごめん。だけど、だから。せめて、このことは隠蔽させない。そうすることを、許さない。そうされることは、許されない。君が、復讐を望まないことは知っている。それでも、このまま何事もなかったかのように、彼らが過ごすことは耐えられない。他でもない、この俺が。これは自己満足だ。自分に非がいた来ると思って、君から離れてしまった。せめて、せめておれだけでも離れなければ、距離を置かなければ。こんな結末、こなかったのかもしれない。避けられたのかも、しれない。

もしも。

そんな話、するだけ無駄だと、君は笑うかもしれないけれど。

「此処にいる全員が、同罪だ」

全国ネットでの放送。言い逃れは出来ない。この学園がどうなろうと、どうでもよかった。君のいない世界なんて、なんの意味もないんだ。

『ありがとう』

最後に会った時、笑いながら言ってた君は、何を思っていたんだろう。屋上から飛び降りて、ひしゃげた君の体は、温度を失っていた。息をしていなかった。笑って、いた。

「知らなかった?知ろうとしなかったの間違いだろ?転入生。お前はお前にまとわりつくそいつ等が美形だから、普通の奴も傍に置こうとした。同室である、尊を。オレは悪くない。そんな言葉が、通用すると思うな」
「なんでっみことは許してくれたっ」
「何処で?いつ許した?」
「夢の中で、笑って!ごめん、って言ったら、」
「本当に?」

それは、本当に笑っていたのか?嘲笑でなく、微笑みだったのか?転入生。尊は、こう言っていなかったか?
呆然とする全校生徒の中で、一人だけ反論する転入生に近付きながら、俺は言う。

「 ユ ル サ ナ イ 」

途端、転入生の表情が変わった。

「な、んで………」

つぅ、と、一筋。転入生の瞳から涙がこぼれる。それを見てもなんとも思わない。
なぁ、尊。本当に、君は何を思って、何を考えながら俺にあの言葉を言ったんだ?あの後、消印付きで送られてきた俺宛の手紙。その内容を思い出しながら、転入生の耳元で、囁く。

「尊は、恨んでいたよ。お前の事を、ものすごく、殺したいくらいに」

ゆっくり、浸透して、毒されていけばいい。そうして、壊れてしまえば良い。

「だけど殺せないから、自分が消えることを選んだ。どんな気分だっただろうな」

どさり、と、転入生が倒れた。慌てたように我に返り、転入生に駆け寄る彼等から、距離を置いた。
一番、壊れたいのは、壊されたいのは、俺なのに。君はそれすら、許してくれない。だから俺は思い出すたびに、思うんだ。

「――――――――――――ごめん、」

→ side M
2011.09.26


copyright (c) 20100210~ km
all rights reserved.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -