つまるところ、大嫌い

見た目がちゃらいおれを見てセフレがどうだなんだ。と言ってきたそいつを、なーんと俺は殴り飛ばしちゃいましたー。ついにやっちまった☆これはよくて停学悪くて退学。に、前ならなっていたんだろうけど。おれはただだまってそれを受けるつもりはないわけだ。すべきことはすべて済ませてある。有能すぎるおれに誰か拍手を！それはおいといて、ついに今までの鬱憤をようやくやっと、晴らせる喜びに胸が高鳴る。さっきも言った通り、諸々の手続きは済んでるからあとはおれがブチ切れておーしまい！かわいそうにかわいそうに。救いなんて君たちにはないんだよ？転入生の同室者は随分前に退学にされちゃったけど新しい場所でなんとか楽しくやっているそうだ。この前お礼の電話もきたし、多分元気なんだと思う。それがわかって一安心。

「あのねー、言っておくけどおれにセフレなんていませーん！いたこともありませんーいるのはかぁわいい妹と弟だぁけ。ていうかさー、君等も何言っちゃってくれてんのー？おれが家族溺愛してること知ってるくせにさあ、親衛隊の子たちとだってー、ただの茶飲み仲間にしかすぎないんだよー？正直バ会長と腹黒副会長とワンコ書記はしごとしてねーだろ？双子庶務はなんなわけ？与えられた仕事もしてねーくせになまいってんじゃねーよ。今までテメーらのしりぬぐいしてきたの誰だと思ってんだ？アァン？？てめーもてめーだよ転入生。幾ら周りが注意しようとききゃあしねえ。ここはテメーの楽園じゃねーんだよ餓鬼は餓鬼らしく初等部からやり直せ。ていうか母親の腹ん中戻って死んで来い。生まれてくんな。歩く騒音公害作業妨害馬鹿が。テメーのせいで他の役員が仕事しなくておれがおれの睡眠時間削られてるわけ。わかるー？わからないよねー、ばかだもんねー。馬鹿は馬鹿らしく馬鹿と仲良くしててもらってもいーんだけどー。あ、ていうかそうだった！君たちがバカばっかしてる間になーんと、生徒会と風紀のリコール許可書とてんにゅーせーくんの退学証明書、発行してもらいましたー！おれすっごーい！やったね☆つーことで風紀は既にメンツ変わってっから。よ、ろ、し、く？」

あ。しまった自分のキャラ忘れてた。ま、いいか。え？転入生に話す時間なんて与えねーよ？事実今其奴はオレの足の下。押さえつけて口から声が出ないようにしてある。じたばたしてる？んなこと知るか。今までのおれの心身ともに受けた絶大なるダメージを倍返しでプレゼントっと、なんかみんな呆然としてるんだけど。うっけるー。呆然としながらも殴りかかってくるアホもうけるー。

「話はすみましたか？会計様」

あ、忘れてた。新しい風紀はみぃんな使える子だよー。おれが資料みて拒否権なしに選び出した、顔が平凡でも腕が素晴らしかったり。可愛い顔して柔道黒帯だったり。前の風紀もそうだったんだけどー、自分の為に権力使っちゃだめだよねぇー？ってことで、他人のこと考えた上で行動出来そうな子にした。不本意ながらあの人に手伝ってもらっちゃったけどー、それはそれ。

「まだだよーごめーんね、風紀委員長様」

にっこり笑って言えば、呆れたような笑みが返ってくる。なんかこう、そんな笑みも似合う平凡顏って、すごくいいよね。恋愛対象にはならないけど。

「早くすませてくださいねぇ？此処にいる生徒以外は講堂に集まってるんですからぁ」

彼が口を開こうとした瞬間、可愛らしい外見天使の小柄な生徒がツカツカと現れて、おれの下にいる転入生を凍った視線で射抜いた。彼の言葉に転入生の体を解放する。途端喚き出す害虫のキンキン声におれの苛立ちゲージはMAX。

「ーーーーっ！ひどい！サイテーだっ！なんでオレがこんな目に合わなきゃいけないの！？お前なんかおじさんに言って「いつまで勘違いしてんだよカス。理事長と親戚？だからなんだ。それは理事長の権力であってテメーの権力じゃねーんだよ。使って良いのか悪いのかも言われねーとわかんねーわけ！大概頭がたりねぇなぁ、たりてねぇなぁ？」なっ「そこの脳みそやられた使えねーやろーどももよく聞いとけよ？親の権力使ってさも自分がやったと言うかのように威張るな。虫唾が走る。ミジンコ以下の単細胞共ーーー」
「素が出てますよぉ？涼様」

涼やかな声は先程と同じもの。おれの親衛隊隊長であるものの、あまり人前に姿を見せない彼は、魅力的な見る者が見れば前屈みになるような笑みを浮かべていた。転入生はさっきまでのことわ忘れたように復活しかけていたので大事なとこ踏んで黙らせました。死なねーよな？それにしても他のメンバーまで頬を染めるとか、まじない。

「わざとだよー、わ、ざ、と。それより話はついたのー？狗」
「えぇ、滞りなく」

転入生が人のこと犬って言うなんて最低だ、とかなんとか言ってるけど知らねー。そもそも狗飼って苗字なんだから仕方なくね？あと、ほんとにおれの狗だし。文字通り。それにしてもおはやい復活で。

「じゃー後は風紀にまかせるねー？と、言いたいとこだけどー、」

やっぱ最後までおれやるねー。覚悟しとけよ？ミジンコ以下のクソバカアホ野郎共。そう言えば、転入生とその取り巻きの顔は青褪めた。