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other ≫ 風紀委員長受

多分、対等。

※生徒会長*風紀委員長←転入生。を、みてた人


コイツは俺様じゃねーと満足できねーんだよ。他当たれ、マジキチ転入生。
嗤いながら生徒会長である男は、堅物と言われている綺麗な顔をした長身の風紀委員長を抱き寄せた。
今まで問題ばかり起こしてきた転入生をまたか。と、思いながら見ていた周りは、会長と風紀委員長が出来ているとしか思えない出来事を目の当たりにし、呆然としたように彼等を見つめている。

「なんでっ!」
「なんでも、だ。コイツは生まれてから死ぬまで俺様のものなんだよ。テメーなんかが手に入れようと思っていい代物じゃねーってことだ。第一もうテメーの周りには嫌気がさすくらい取り巻きがいるだろーが。コイツを手に入れたいならまずはそいつ等をどうにかするんだな、色惚けて能無しになった生徒会役員なんて要らねーし、なぁ、お前だってそう思うだろ?樹季」
「そうだな、彩季。だが、とりあえず離せ」

同じ言葉が名前に使われているが、彼等の苗字は異なっている。
生徒会長である九重彩季(このえさき)、風紀委員長である孤城樹季(こじょういつき)。
ただこの二人、おかしな事に風貌がひどく、似通っている。新聞部では彼等が実は双子であると言う仮定を元に調査をしているが、未だ結論は出ない。

「ツレネェな、とても、」

会長が風紀委員長の耳元で何事かを囁いた瞬間、風紀委員長の表情が崩れた。
今まで見たことがないような表情で、それでも会長を睨み付けている。
その瞬間、風紀委員長を組み敷きたいと思った生徒はきっと、多かったことだろう。

「俺の方が!いいじゃんか!!彩季より俺のが良いだろ!樹季!!!」

そう言う転入生に見向きもせず、会長は笑った。

「誰がお前にコイツの名前を呼んでいいと言った?いつ言った?コイツはお前に名前を教えたか?教えてねーだろ?勝手に呼ぶな、」

虫唾が奔る。
会長に、笑いながらそう言われた転入生は震え、おまえらなんかもうしらねー!と言い、走り去った。それをみて呆気にとられているのは先程までのやりとりをみていたギャラリーだけで、転入生の取り巻きは彼を追いかけて走り去っていった。

「お前がドMで淫乱で、どうしようもねー奴だって知ってもそれでも好きだって言うヤツだったとしても、」

誰にも渡さねーよ。
そんな会長の言葉を聞いたのは、きっと恐々とその場の様子をうかがっていた俺だけだろう。
後日、転入生は裏口入学であったという事が公にされ、それを許した理事長も問題になり、更には社会的地位を抹消され、強制退学へと追い込まれた。転入生がいなくなった後の生徒会役員はまるで夢から覚めたかのように元に戻り、会長は相変わらず、風紀委員長を構っている。
お前みたいなドSで鬼畜な奴に耐えられるのも俺だけだろうな。と、風紀委員長が言っているのを聞いた瞬間、俺は自分が実は不運じゃないかと思ってしまった。

2011.12.16


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