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裏葉色

2023/02/15
憎らしい、憎らしいと彼女は言う。
ただ、そういうことが出来るという事すら、羨ましかった。

裏葉色

何故子を産むのはおなごばかりなのだろうか。

問い掛ければ、彼は笑った。そのようにできているのだからと。
他のものに現を抜かし、その相手と子をもうけたところで。

「……ままならないなあ」

仲が良い夫婦がいた。
子が生まれ、周りからも祝福され、その夫婦は、幸せであると、周りの者は、そう思っていた。
実際には、その子供は。

「…御包、おくったのになあ」

彼は言った。
彼女以外は愛せないと。
だから、子も、彼女以外とは作れないと。
そも。
男同士では無理な話ではあるが。

「どうすんだろ」

彼女は、他の男と通じていた。
だから、彼女の子は、彼の子ではない。
せめて、彼と似た子が生まれてくることを祈るほかないと思いながら。

「……憎らしいって、」

彼女は、間違っている。
そもそも、他の男と通じなければよかっただけの話なのだから。




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