解説:
(解説しないと伝わらない話なんてだめだめなんですけどねッ)
*渚に誘われて、【川の向こう岸】に渡ったときに既に、「僕」は渚にとらわれていたんです。三途の川というものは渡ったら帰ってこられないものですから。
*蛍の光は人魂をイメージしています。川の向こう側にはたくさんの蛍。綺麗ですよね。でも、裏をひっくり返すと……というイメージです。
*渚ちゃんは、ずっとずっとお友達が欲しかったんです。でも、彼女と遊んでくれる子はもう、いないんですよね。誰にも彼女は見えなかったのに、「僕」にはそれが見えてしまった。
*終わらない夏休み。皆さんにも、私にとっても、夢のような響きです。“夢”のような、ね。
あとがき!
夏だからホラー書きたいなあ、と思ったのが去年の九月頃でした。当然、夏休みは終わっていました。夏休みが、終わらなきゃ良いのにと思った瞬間に、ふと頭に転がり込んできたのがこのお話。
それから一年近く、話のメモはしていたものの、書く気は起こらず……ついに書き始めたのが今年の夏休みでした。
このお話を思いついたころは、まだこうやってお話を書くこともなく、一生書くこともないだろうと思っていたんですけれども。
はじめて最初から最後まで一人称視点で進めたので、色々訳わからなくなったりもしましたが、今となっては良い思い出、ということで。
このお話、ある意味では初めて完結させたようなものですから、なんとも言えずに今はどきどきしているというか……。
救われない話? とか、もやもやしたままで終わるような話にしたかったので、そのあたりがうまくいっていたらなあ、と思います。
夏休みも後少しです。
読んでみて、薄ら寒くなったり、後味が悪くなってみたりして下さると嬉しいです。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
20120827/夏野ゆき