創作神話

世界は一人によって形作られ、また一人によって終わるという。

黒から産まれ、黒に終わる世界。

ある者は世界を恨み、ある者は観測者として選ばれ、ある者は黒に招かれ世界を渡るのだという。



世界は昔、紡ぎ直されていた。
同じ時を幾度も幾度も紡ぎ続け、その時に終止符を打ったのは、【観測者】たる銀の娘。蒼い瞳をもち、成長することを許されなかった娘は、生みの親である【黒】に逆らったという。

黒は娘の願いを聞き入れ、娘は【紡ぎ直される世界】に終止符を打った。
紡ぎ直すために使われていた魔力は世界に還元することなく、【新しく産まれた世界】の子供に宿ったという。

【紡ぎ直されていた世界】はそれを恨んだ。
銀の娘を、蒼い瞳の娘を恨んだ。
親である【黒】を裏切った娘を恨んだ。
そうして【紡ぎ直される世界】は【観測者】に相対する、【渡し守】を造った。【黒】が世界を作ったように。

【渡し守】は新しき世界の子を許さない。
娘に奪われた魔力を奪い返すために、【紡ぎ直される世界】は【渡し守】を【新しく産まれた世界】に解き放つ。

【黒】はそれを愛おしげに見つめている。
いつまでも。どこまでも。自分の世界が終わっても。

【黒】は【創造者】であり、唯一の──



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