※性的なじゃれ合い注意










ベッドで寛ぎながら爪を彩るウタの腰元で、もぞもぞと丸く蠢く毛布。潜り込んで悪戯をしているビビはウタの自身へとじゃれ付いて、唇を寄せてはピアスに吸い付き、舌先を寄せてはピアスを擽っている。性的な愛撫というよりは、ただのじゃれ付き。ビビにはこの行為がどういう意味を持つか教えていない。きっと教えてもわからない。

好きに遊ばせていたウタは黒く塗り終えた爪先を振って乾かしながら、黒い瓶をサイドのチェストへと置く。

「や。」

「いるよ。瓶、置いただけ」

「ん。」

身を乗り出したウタを引き止めようと太腿へ噛み付くビビ。ウタがどこへも行かない事を理解すると、また性器のピアスへとじゃれ付き出した。

おやつが恋しいのかピアスを噛んでいる様で、かちかちと小さな音がする。ビビは何度バーベルのボールを外した事か分からない。毎度噛み付いてくるビビに学習して、ウタはバーベルのネジをかなりキツく締めてあるくらいだ。

さらりと乾いた爪先。
ネジ確認しとこ、と毛布の中へ手を入れると、ビビが鼻先を寄せてウタの手を甘噛みした。こしょこしょとビビの頬を摩ってから噛み付かれていたピアスをなぞると、その間にもビビは別のピアスと遊んでいる。

あっちこっちに吸い付くふっくらとした唇。つるりとした表面を撫でる濡れた舌。

「んー…あんまりやると勃っちゃうよ、ビビ」

「?」

まだビビの中は慣らしていないから挿れられない。やめて、と邪魔をした手は敵とみなされ毛布の外へ締め出されてしまった。ウタの手が居なくなった毛布の中でビビはまた舌を這わせる、なんとももどかしい感覚。

ビビのフェラはへた。


「ごめんください」

「や。」

邪魔をするついでに、ちゅうっと段差に吸い付くあの唇が見たくて毛布を持ち上げると、すかさず入る拒否の嫌。ほんの少しだけ持ち上がった隙間から見えるのはタオルケットを握る手と自身を支える手。ふにっと唇をつけたままビビは様子を窺っている。

毛布を更に持ち上げてみた。

「や!」

かぷ。先端に突き立てられる小さく鋭い犬歯。

「怒るとすぐ噛む…」

「…や。」

思いっきり噛み付いてこないところを見ると、おそらくは見せかけの怒ってますよアピール。こんな箇所へピアスを通している男に脅しが通用する筈ないのに。

ウタの出方を探ってじっとしているビビはいつでも噛める様に唇を寄せていて、ただ邪魔してほしくないと訴える。仕方なしにウタが毛布を下ろすと、噛み付いた場所をぺろぺろと優しく舐めた。少しだけ反省の色。

またあむあむと遊ばれる自身。
邪魔さえしなければビビは上機嫌だ。

覗くと怒られるし、どうしようかなあ。

そうして毛布から中途半端に出ているタオルケットを何気なしに引っ張ると、しゅるしゅるっと中に吸い込まれていった。今や毛布の中はビビの巣だ。

毛布越しに丸い頭を撫でると、これは邪魔には入らない様で遊び相手に頬をくっ付けて大人しくしている。でも中に手を忍ばせると怒る。

これはもうビビが飽きるのを待つしかない。やりたい様にやらせて、ウトウトしてきた所で毛布を引っぺがす。


それまでは暇だから、と
こっそり忍ばせた手はやっぱり噛み付かれた。


ピアスの天敵


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