「ほんま、腹立つ」
私の目を見てそう言った財前は見たこともないほど辛そうな顔をしていた
この顔は私がさせている
そう思ったら悲しくなった。
こんな顔、もうさせちゃダメだ
私がいなければ
私が財前を好きにならなければ
私が━━━
「なんで泣くんすか」
あぁ、私泣いてたのか
呆れられるな
最後まで、財前には迷惑をかけたんだ
それももう終わり
「こひなた先輩、好きです」
「え……?」
「謙也さんと仲良くさせへん。これ以上かき乱さんで」
「ざいぜ……」
「俺だけ見て」
まだ辛そうな顔をしている財前
必死なその表情
「先輩が謙也さんを好きでも、知りませんから」
「私は…っ」
止めなきゃ
辛そう
止めなきゃ
「私が好きなのは……!財前だ!!!!」
「えっ」
あっ
私、今……告白……
「あ……いや、その」
「それは、予想外ッスわ」
財前の顔は見たこともないくらい嬉しそうで
私も、泣きながら笑った