1年越しのはじめまして(越野)


彼女に一目惚れしてからもうすぐ満1年。
この1年で彼女に関して出来る限り情報を集めてきた。

彼女の名前は零野ロゼさん。俺よりひとつ上の学年。図書委員。
クラスを超え学年までも超えた男子生徒に人気が高い。
都内の学校に許嫁が居るらしい。
ああ、それと…柊、という同学年の女子生徒と仲がいい。

だがわかったことはたったこれだけだった。人伝に聞いたことや聞こえてきた、または噂の内容からだからか。許嫁、という項目は信じたくないが本人も頷いて居るらしくどうやらデマではないようだ。

一通り手帳に目を通しながら部活用のバッグを持って部室に向かうと彼女は居た。
忍足さんと会話をしている彼女を見つめていると勝手に足は動き出し、辿りついたのは彼女の背後。俺を不思議そうに見つめる忍足さんを一睨みすると俺は口を開いた。

「ロゼさん」

振り向いて、俺を見つめる彼女の腕を強く掴んだ。顔を歪ませる彼女さえも愛しいと思うなんて、本当に俺は彼女が好きなんだろう。口元が綻びそうになるのを堪えると俺は口を開いた。

「日吉若、2年。よろしくお願いします。」



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