とあるマジバのバスケ部男子 ▽おは朝とクーポン券 今週、マジバではクーポン券の無料配布を行っている。テイクアウトのお客様には紙袋の中、店内お召し上がりのお客様にはトレイの上へ置いて受け取ってもらう。 「いらっしゃいませ」 「これのサラダセット。…店内で」 高身長の眼鏡をかけたお客様がやって来た。制服は……秀徳高校か! いかにも頭良さそうな顔立ちだもんねー…って余計な事考えてる場合じゃないや。 「お待たせいたしました」 「……」 急いで商品を用意して声をかけると、彼は眉間に皺を寄せてトレイと私を交互に睨み付けた。おかしいな…もう会計は済んでいるし、忘れてる物も無いはずなんだけど。 「あの、えっと…」 「つかぬ事を伺うが…この店ではクーポン券を取り扱っていないのか?」 「…あ!!」 クーポン券! 渡すの忘れてた!気を抜いてたな…。彼が言ってくれなかったら忘れたままだったかも。 「すみません…」 「助かるのだよ。これで安心してシュートが打てる」 彼はほっと安心したような顔をした。シュート……そういえば、秀徳ってバスケの名門でもあるんだよね。それならバスケ部の可能性が高いかな。でも、何故シュートにクーポン券が必要なのか…… (…あ) 私は1つの可能性を導き出した。そうだ、クーポン券といえば… 「おは朝のラッキーアイテム、ハンバーガーの無料クーポン券…」 「!!」 彼は驚いた顔をして、「お前もおは朝を観ているのか?」と言葉を返してきた。 ちなみに私はおは朝を毎日観ている。あれはバラエティー番組並みに面白いからね。 「じゃあ、お客様は蟹座ですか? 確か今日のラッキープレイスはファーストフード店でしたよね。良い事ありますよ!」 トレイを渡しながら言うと、彼は満足そうな笑みを浮かべた。 fin. (2013 04/20〜04/30) [mokuji] |