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前髪マエストーソ




※ほぼ会話文
※キャラが大崩壊
※オチが無い!








「赤司くん、これって…」

「前に名前が見たがっていた、僕の中学時代の卒業アルバムだよ」

「わあっ、ありがとう! 玲央先輩、早速見ましょう!」

「ええ。(征ちゃん、前にって言ってたけど、それ昨日の話よね?)」

「名前、僕が持ってきたんだから…解っているよね?」

「うん、私も中学時代のアルバム持ってきたよ! でも、恥ずかしいからあんまり見ないでね?」

「大丈夫だ」

(ああ…これが目的だったのね、征ちゃん。名前ちゃんの写っているページを食い入るように見てる征ちゃん恐い)


「玲央先輩、赤司くんがいないんですけど…」

「え? …ここにいるじゃない。ほら、この子!」

「赤司、征十郎…本当だ! 嘘…これが赤司くん!?」

「今とは前髪の長さが違うわよね」

「……今よりも中学時代の赤司くんの方が良いなぁ……」


「名前…今、何と言ったんだい……?」

「あ…征ちゃん聞いてたの?」

「前髪の長さがね、中学時代の方が素敵だなあって思って」

「……名前」

「あ、ごめん。私ちょっとトイレ行ってくるね」



──ガチャン



「……」

(まずいわ!! 征ちゃんの顔が絶望的になってる!!)

「……玲央」

「な、何かしら?」

「……前髪…切っちゃった切っちゃった切っちゃった…。ハサミで切っちゃった切っちゃった切っちゃった」

「ちょっ…征ちゃん?」

「今まで〈中略〉までやった末、ようやく僕は名前の彼氏になれたというのに……」

「…征ちゃん苦労したのね…」

「中学時代の僕め…僕に逆らうのか。僕に逆らう中学時代の僕は僕でも殺す」

「征ちゃん落ち着いて!!!」



──ガチャン



「ただいまっ」

「名前ちゃん!!」

「名前……今の僕は嫌いかい?」

「え、どうしたの……あっ、さっきの話? あんまり気にしないで!」

「……」

「私は今の赤司くんの前髪も好きだよ!」

「名前…!
 …僕は少々荒ぶっていたらしい。すまなかったね。名前、大好きだよ」

(征ちゃん……名前ちゃんは前髪の事しか言ってないわよ)


 洛山高校は今日も平和です。




fin.

(2013/04/07)



マエストーソ…音楽用語「荘厳に」



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