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「ひ・・っきしょん」
「歳、風邪か?」
「いや、多分誰かの良からぬ噂だろ。」
近藤は笑いながら土方に、上掛けを掛けた。
「歳はもてるからな…。」
と近藤は穏やかな口調だ。
「そういば歳。今年の新入生に斎藤君は居たのか?」
土方は首を振る。
「そうか…。」
近藤は残念そうに、眉を寄せる。
「総司に何か言われたのか?」
「いや、そう言う訳では無いだが最近、何時もつまらなさそうでな。」
(彼奴は〜・・(怒))
「何だか、昔の…私衞館に居た時、何の前触れもなく斎藤君の行方がわからなくなった時の総司を思い出してな・・」
「違う学校や剣道道場にそれとなくあたってはいるんだが。」
「そうか…。」
しばらくの間の後、近藤は思い出した様な声を出す。
「剣道と言えば山口君の件はどうなってる?」
「それが、原田や俺も何度か剣道部に誘ってみたんだが。良い返事は貰えなかった。」
「そうか、残念だな。授業でもいいから、竹刀を持って居る姿を見たいもんだ。」
「そりゃ無理だ。」
「どうしてだ。」
「山口は女子生徒だ」
近藤は驚き声をあげる。
「剣道で全国制覇と聞いたから俺はてっきり…」
「だろうな。」
「せめて、総司の剣の相手になれればと思ったんだが。」
近藤は残念そうに言葉にした。



 







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