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手立てがないことを悔やんでも仕方がない。
知り合いには悪いが。引き続き総司と言う名の俺と同じぐらいの学生について何でも良いから見つかったら、教えてくれっと伝えた。

ある日総司は、遠くを見て俺にこう言った。

「僕が消えてしまっても…泣かないでいてね。」

「!?」

総司は笑っている。

「何故、その様な事を」

俺は利き手をぎゅっと握る。

「僕、はじめ君に泣かれるのは嫌だから。」

そう言って俯いた。

「何故、消えるだのと思うのだ?」

「何となく…」

俺は正面から総司を見て

「あんたは…あんたは…ここに居る。俺と話てるのは間違いなく総司だ。」

「!?」

俺の言葉に驚いた顔をした。

「ごめんね。…弱気になって。」


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