11 それから俺は、総司の記憶の手がかりになれば‥っと総司に話をした。 学校の事、家庭の事、好きな本。 好きな運動の話をした。だが、総司は苦笑いをして首を振った。 「ごめんね」 っと呟いた。 「・・・何故あんたが謝る?」 「だって、がっかりしてる様に思えたから。」 「そう…か」 総司はじっと俺を見る。 「あ、いや…俺は嬉しいとか悲しいとかあんまり表情に出ないから。」 「そうなの?」 「あぁ」 「・・・。」 「よし、手がかりになるものなら。今度はこの神社の地図や地域のモノを。」 「ごめんね。色々考えてもらって」 「気にするな。迷惑だと思っていない。」 そう言って笑った。 すると総司はキョットンっとした顔をした後、頬を赤くした。 [*prev] [next#] 17 0 6144 |