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「・・・。」

困った顔から何とも言い難い複雑な表情だ。

「俺にはあんたが見えるし、身体だって触れる。その結果アザだって残ってる。」

相手は右手を見た。
俺は膝についた砂埃を払いながら話した。

「また来ても良いだろうか?」

相手は驚いた。

「可哀想だとか‥思ってるなら。」
「そうではない。ただあんたの事が気になる。それでは理由にならないだろうか?」
「好きにすれば。僕はココから出られないのだから。」

そっぽを向かれたが、心なしか頬が赤くなっていた。
何故‥赤くなっているのだろうか。

「俺は、斎藤一。」

そう言って左手を差し出したが慌て右手をだす。

「君、左利き?」


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