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俺はそいつの肩を触ってみた。

「幻覚じゃないみたいだが?」
「僕、普通の人には見えないだ。」

困った様な表情だ。

「でも触れるが?」
「だから不思議なんだ。僕に話しかけた事も吃驚だけど。触ってるから。」
「あんた名前は?」
「わからない。」
「?」
「だから、覚えて無いだよね。」
「からかってるのか?」
「どうして初めてあう君を面白がらなきゃいけないの?」

確かにそうだ。

「記憶…喪失なのか?」
「多分、そうだと思う。」
「多分って…」
「記憶喪失なんて、なったこと無いから…」
「では…何処から来たのかも?」

視線を下に向けた。



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