05


少し違うけど、確かに棗が生きてる世界は俺が生きてる世界とは違うけど。


俺には病気、棗は任務。

きっと棗の方が辛いけど、それでも数少ない、同じアリスの器。


少しでも共感出来るから。その分お節介になる。



俺はベットから飛び降りて、備え付けの冷蔵庫を探る。水あったっけ。


あ、いいもの発見。



「なつめー、ゼリー食べれる?一口のやつ」

「……いちご」

「あるある」



冷凍された一口ゼリーと小さいスプーンを持ってベットに戻る。

未だに座ったままの棗に、布団を被るように急かす。




「母親かお前は」

「寝てないんでしょ、クマ出来てる」



とにかく食べれるものがあるなら食べて、寝る。
無理したら逆効果だ。



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