03
「ここはサボるためにあるんじゃないよ」
「…。」
「こら、無視しない」
俺が横たわるベッドの近くに椅子を引き寄せて、棗は偉そうに腰かけた。 全身から滲みでる俺様オーラに苦笑する。
「……匿え」
「姉さんは?」
「仕事で1週間いねえよ」
ああ、だから姉さん最近見ないんだ。
ナルが怒りそう。
怪我してないといいな。
「ペルソナに追われてるの?」
「人間に酔った、吐く」
確かに改めて見れば顔色が悪い。
吐きそうな雰囲気は欠片も出てないけど。
「……、棗?」
―――と。
首にかかるソレに気付いた。
「…棗、最近ご飯食べた?」
「腹減ってねえ」
首にかかるそれは、治療のアリスストーン。
前、昴先輩に見せて貰ったものと同じですぐに分かった。
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