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- ナノ -
005







他校の栖条と言う後輩は、一方的になら知っていた。


キセキの世代≠ノ関連する人物として、実は有名人だったからだ。



キセキには、噂が「2つ」あった。


1つは、幻の6人目の存在。
それは言わずもがな、誠凛の15番――――黒子テツヤ。


そして、もう1つはキセキをコントロール出来た人間の存在だ。性別は分からない。性格も分からない。

ただ、キセキにオカン、と呼ばれた同級生が存在する。それだけだった。



何で情報が漏れないのか不思議だったけど、多分存在を隠したかったのかもしれない。

今でこそ天才扱いのキセキも、最初はヒール…悪役のような存在で、恨みも買いやすかった。


部員でもないらしいその存在に危害を加えられることをキセキが恐れたのだと推測する。




それほどまでに、大切にされてきたのだ。






青峰がうちに来て初めての夏。

インハイは終わったあとの夏休みのこと。桃井の助っ人としてちっちゃい女子が体育館に来た。

動きやすそうで、かつ洒落た服を着た2つ結びの女子はうちの学校やないやろうなとすぐに分かった。

流石に新入生が入学して3か月もおったら大体の把握はで きる。こない可愛い子噂にならんはずがないねん。



「この狐!」

「誰が狐や、ぶさいく」

「ブスって言うな!気にしてるんですよ!?」

「わしも狐言われるん気にしとんやけど」

「嘘だ!」

「嘘や」

「うっぜええええ!!!」






あれから4か月弱くらい経った。栖条とは毎週会うわけやない。けど、そこそこ仲良くなってお気に入りの後輩になった。




このやり取りが楽しくて、栖条が来た日の休憩時間は栖条をからかうのに使った。






最近、栖条にウザい言わせたら達成感できるくらいにはお気に入りや。






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