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しきりに音をたてて降る大雨。それにより色づいた白いタイル。そして坂を降りた平たいタイルの上で、ルフィは横たわっていた。

「ルフィ!」

すかさず傍に駆け寄る。そいつは唇を紫色にしたまま、ふやけた手足で地面に這いつくばるようにして眠っていた。その姿を見たら、堪らなく泣きたい衝動に駆られた。

「おい、ルフィ、大丈夫か!?」

後ろから抱え込んで頬を叩く。すると一瞬だけ身震いをして、漆黒の相貌が露になった。

「ルフィ!!」
オレが呼びかける。
「――あ、エー、ス…」
ルフィがそれに応えた。オレは噴き出した火山さながら興奮していたため、何も考えずにルフィを抱き締める。

「わ、いてェよ、エース…」
「すまん…ルフィ、オレ、おかしいな」
「え……」

ルフィがたじろぐ。オレは目を伏せ、生ぬるい空気を吸ってから話始めた。

「多分オレも、お前が――」
「おい、エース」
ふいに、ルフィがこちらを振り返った。

「言っちゃ駄目だろ!」

歯を見せて笑う。穢れのない真っ直ぐな、しかしどこか後ろめたいような顔だった。

ああ、そう言えば規制をかけたのはオレの方だっけ。兄貴失格だな。

――でも。

それでもオレは。


背徳感。罪悪感。全てを認めた上で、オレは口づけた。



「なあルフィ、オレは――――」



END



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