たどり着いた場所…


そこは、応接室だった。


ガラガラッ…

無意識にドアを開ける山本。


書類や荷物が一切ない応接室は、太陽の香りがほんのり染み付いていた。

「切ねーなぁ」



ガラッ…


山本がそう呟いたとき…


ふと開いた窓。


桃色の香りが、黒い影を包み込む。


山本は驚きに顔を強張らせた。


「ただいま」


影は、柔らかな笑みを浮かべ言った。


桜の香りが充満しすぎて、


死期を感じさせるような香りだった。




- 64 -





Top

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
back