「最近さあ、山本笑わなくなったよね」

ある日の放課後、クラスメイトが山本に話しかけた。

「……ん?…そうかぁ?」

「うん、笑うんだけど泣いてるみたいな顔してる」

「ハハッ…気のせいだろ?」

「ううん、やっぱり泣いてるみたい」

「あー…」

山本は指先で頬をポリポリと掻いた。

墓穴掘ったな…と後になって反省した。


「それに、最近痩せたよね」

他の女子も、近づいてきた。

「え…そうか?前はこれくらい…」

山本は、大袈裟に両手を広げて見せる。


が、それが更に墓穴を掘っていることを山本は気づかなかった。



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