「あー…幸せ」
そう言いつつ、何気なく雲雀の首筋から匂いをかいだ。
シャボン玉と桜の香りがした。
「それも君だけじゃない」
両想い……
そう言われただけで、危うく理性を失うところだった。
「…また…会えるよな」
「……多分ね」
「なっ…そこは肯定するとこだろ!!」
「フン…」
雲雀は腕組みをして鼻を鳴らす。
その表情は、とても穏やかだった。
「また…会おうな。俺が、会いに行くから」
「…!!」
雲雀は、その言葉を待っていたかのように口を歪め、山本にキスを落とした。
「!…ヒバリ…」
口を手で覆い、幸せを噛み締める。
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