美しい桜は散り行き、新たな命が芽吹く季節になった。
並盛中風紀委員長の雲雀恭弥は、窓辺から校門を見ていた。
どこを見るともなく見つめるその黒い瞳は、どこか寂し気に見える。
だが。
顔はいつもと変わらず無表情なのに、今日の雲雀は、あまり落ち着きがない。
ちらちら後ろを見てみたり、何だかそわそわしている。
ガララッ!!
応接室のドアが勢いよく開いた。
「!」
この時を待ちわびていたかのように、振り向く雲雀。
雲雀の目は期待に満ちていた。あくまで、無表情に。
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