はっ、と気づいては、ふるふると頭を振るのを繰り返していた。
「……ん…っ」
綱吉がコロンと仰向けになる。
(十代目…無防備過ぎっス……!)
ふつふつと沸き上がるいやらしい妄想と葛藤する獄寺。
なんと不憫な姿だろう。
獄寺は、もう我慢の限界だった。
(き、キスだけなら…)
不純な動機が、一人の男を突き動かす。
「じゅ…十代目…失礼しますッ!!!!」
獄寺は地面に頭を叩きつけ、謝罪した。
跪き、そっと綱吉の頭に触れる。
砂のように、綱吉の髪が揺れる。
顔を近づけようとしたその時だった。
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