部屋に戻ると、草壁が土下座をして待っていた。


「恭さん」


「……何?」

「山本武の件ですが…」


(…!)

さっさと寝る支度をしていた雲雀に、草壁の言葉は一瞬の隙をつくった。


「遺留品をご覧になりましたか…?」

「いや、見てないよ」


雲雀がそう言うと、草壁はいそいそと準備をし始めた。


「…ちょっと、同情なら要らない。」


「……同情に見えますか?」


雲雀は眉を苦し気に吊り上げ、こく、と頷いた。


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