時は経ち、夕日が沈む時間帯となった。
「今日はこれぐらいにすっか」
ふう、と手で額を擦る動作をするリボーン。これでも生徒の体調を考えているようd「これでもとは何だ」すみません…
「キツすぎ…!俺達を…殺す気…か…!」
ぜぇぜぇと喘ぎながら、綱吉は大の字になって地面に寝転がった。そして、ゆっくりと目を閉じる。顔は清々しい微笑みを讃えていた。
「はあ…でもいいや…やっとバイキングが食べれ…」
「無理だ」
「そっか……は!!?」
思わず生唾を飲み込む。目の前に腕組みをして立つ家庭教師を、飛び出さんばかりの目で見た。
「お前の身勝手な言動のせいで、チケットが燃やされちまった」
「んな!!それならさっき謝っただろ!?」
はあ、とわざとらしくため息をつかれ、思わずツッコミを入れる。
「ツナ、謝るだけで許されるなら、警察もマフィアも要らねーんだぞ」
「……ッ!」
諭すように言われ、自分がこの憎らしい赤ん坊に子供扱いされていることに気づく。
否…この場合、遊ばれていると言った方が正しいだろう。
「オメーら、今日はここで野宿だ」
「ツナ、俺はキャンプ好きだぜ?」
「山本…」
親友の優しい言葉に、罪悪感が和らぐ。
「ツナさーん!!」
「ぐえっ」
せっかくの暖かな雰囲気を台無しにしてくれたのは、綱吉に絶賛片想い中の三浦ハルだった。
今のように綱吉に抱きついてみたり、日常では手作り弁当を振る舞ってみたりと、自慢の頭脳を駆使した恋のアタックは万全。しかし…その度に空回りする可哀想な女の子である「可哀想は余計です!!」失礼しました。
「ハル…どうしてここに?」
「ツナさん達がキャンプしに行くからハル、ご飯作りに来たんです!」
ガーン…
(遊びだと思われてる!!)
「で、でも何でハルなの?母さんとかでも良いんじゃ…」
「え…」
ハルが突然、顔を強張らせた。視線ががふらふらと泳ぎ、頬が赤くなる。
「それは…」
「?」
「それは…私が…」
バチーン!!!
「ぶっ!!」
ハルの平手が、綱吉の右頬に直撃した。
「ツナさんの馬鹿ー!惚れた弱みにつけこんで…、…ハレンチですー!!!」
「は、はあ!?良く分かんないよお前ー!!」
右頬擦りながら叫んだ声も虚しく…ハルは京子の名前を叫びながら走り去っていった。
「…てか、京子ちゃんもいるんだ…後で会いに行こうかな…」
強い思いは綱吉に届くことはなく…むしろ墓穴を掘ってしまったハルであった。- 113 -
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