ーチャラーラーチャンーー
曲が終わり、ラジカセから音が消える。
先刻までは、生き生きと首を振り回していたカメラも、今や命の火を消し止め、死んだように眠っている。
山本には先程の時間が夢だったかのように感じられ、ゆっくりと目を閉じた。
「お二人共お疲れ様でした」
逞しい身体を、礼儀正しく前に倒す草壁。そんな部下を前に、当たり前だとばかりに鼻を鳴らす雲雀。山本は、そんな二人のやり取りを、汗ばんだ満面の笑みで流した。
「君、もう帰って良いよ」
「お……おう」
いつの間にか、スタジオの隅には、応接室に置いていたはずの荷物がまとめて置いてあった。もしかしなくても、風紀委員が運んでいたのだろう。
- 99 -
≪ ≫