フウ…
煙を吐く音が響く。
それだけ、辺りは静寂に満ちていた。
ボムを常に常備していることもある為、念のため部屋を防音と防災に改造しておいたことが幸いだった。
足元には、気絶したディーノの姿。
いつもは見せない無防備で軟弱という彼の弱さ。
少し笑い、また煙草を口に押し付ける。
苦しいくらいに吸い込み、闇色の悦楽を得る。
「……気に入らねー」
暫く吸う内に神経が麻痺してきたのか、口が無意識に動く。
「気に入らねーな」
ぽつりぽつりと零れる言葉。
視線は未だ、ディーノに向けていた。
―気に入らねーよ…――
火をつけられた火薬が…
お前が持っていた火薬だけだったなんて!!
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