「な…何……に?」
先刻の威勢が嘘だったかの様な口調。
不自然な間を作りながらも、彼の言葉はきちんと届いた。
獄寺が口を開く。
ディーノの見間違いか、その唇が嘲笑に薄く歪んでいるように見えた。
「何って…てめーの他に誰がいるんだよ?家に押し掛けてきて早々盛りやがって…」
獄寺の顔は、暗い笑みに満ちていた。
ゆらりと立ち上がると、じりじりと迫ってくる。
片手には湿気っていないであろうダイナマイト、もう片方には火のついた煙草。
―あ。俺、地雷踏んだ…―
自嘲とも諦めともつかない言葉が脳裏に浮かんだ瞬間、視界を数本の光が覆った。
「死ね!!二倍ボム!!」
「ぎゃーーーー!!」
十代目ボス当主とは思えないような情けない声が、並盛町をこだました。
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