「獄……」

「でも…」

ふっ…

獄寺の手がディーノの頬を覆った。その刹那――

唇が、一瞬だけ重なる。


「オメーに頼るのは嫌いじゃねー」

「獄寺…」

滅多に無い獄寺の甘え。

まるで時が止まったかのように、秒針の如く胸のそれがディーノの中で響き渡る。

一瞬の隙を突いたキスだけで、心は充分に満たされた。

顔を綻ばせるディーノ。


「獄寺…ッ!!」

力一杯抱き締めると、痛ぇと言いながら睨みつけて来る。

でも二人は幸せだった。


互いの本心は胸の内に秘め、互いに抱き締め合うのだった。


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