「獄寺…」
無意識に恋人を抱き寄せる。
獄寺は何も言わず、ディーノに身を預けた。
幸せな空間。
獄寺の眉間の皺が少し緩む。
「なあ、獄寺」
ディーノが獄寺の顔を、肩越しに除き込んだ。
「…んだよ」
再び眉間に皺を寄せ、睨むように見つめ返す。
彼はそんな獄寺に優しく笑いかけ、抱き締める腕の力を強めた。
「さっき…何に不満がってたんだ?“くそっ”って言ってたから…」
「……てめーにゃ関係ねー」
ディーノの腕の力が弱まる。
獄寺の冷たい言葉に、少なからずショックを受けたようだった。
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