「あ…クソ……」

ふと、獄寺が呟いた。


「獄寺…起きてたんだな」

ディーノが呟く。

「……あぁ。誰かさんのせいで動けねーけどな」

獄寺は背中を向けたまま皮肉る。

だがそれは、羞恥を必死で隠しているようにしか見えなかった。

現に、彼の真っ赤な耳がそれを証明している。



「ああ、そうだな、ゴメン」

謝罪とは裏腹に、緩む口許。

何笑ってやがる――という恋人の照れ隠しも、全てが全て愛しかった。


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