「……獄寺…お前…」
わなわなと、身体が震えている。
しまった、と思ったときには、ディーノは既に動いていた。
「……っ!!」
顔を青くして後退すると、ディーノが笑顔で飛びついてきた。
「お前……超可愛いッ!!」
「…は?」
気づくと、満面の笑みを浮かべたディーノにがっしりと抱き締められている。
「俺を家に泊めてくれる気だったんだろ?すげー幸せ!!」
「…っ!!邪魔だ!!離れろ!!」
「やだねっ!!」
子供のような笑みを浮かべ、ディーノは獄寺を持ち上げた。
「うわっ…ちょ…!!離せー!!」
地面から足が離れ、獄寺は暴れ始める。
「さあ、お城に行きますか…お姫様☆」
そう言いウインクをしたディーノに、獄寺が恐怖を感じたのは言うまでもない。
空は、獄寺の顔をごまかしているように赤く焼け、雨をたくさん降らせた。
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