「えっと…何…?」

心の中で身構えてはいるが、それを気取られないよう、至極柔らかく言った。

「君、校歌の二番歌えるよね?」

「お、おう」

「それの二番に出て欲しいんだ」

「おう!了解」


……ん?

元気良く答えたのは良いものの、話が中途半端過ぎてよく分からない。


(二番って…校歌だよな?出るって何に?レコーディング?それともCDでもだすから合唱団の中にか?)

もんもんと思考を巡らせていると、雲雀が俺を不機嫌そうに見つめている。

「何上の空になってるの?早速今から行くんだよ」

「え、行くってどこに?」

ピタッ。

雲雀の足が止まる。

「何言ってるの」

くるりと振り返り、俺を見上げた。雲雀はさも当たり前の様に、胸を張って言った。


「スタジオだよ」


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