「えっと…何…?」
心の中で身構えてはいるが、それを気取られないよう、至極柔らかく言った。
「君、校歌の二番歌えるよね?」
「お、おう」
「それの二番に出て欲しいんだ」
「おう!了解」
……ん?
元気良く答えたのは良いものの、話が中途半端過ぎてよく分からない。
(二番って…校歌だよな?出るって何に?レコーディング?それともCDでもだすから合唱団の中にか?)
もんもんと思考を巡らせていると、雲雀が俺を不機嫌そうに見つめている。
「何上の空になってるの?早速今から行くんだよ」
「え、行くってどこに?」
ピタッ。
雲雀の足が止まる。
「何言ってるの」
くるりと振り返り、俺を見上げた。雲雀はさも当たり前の様に、胸を張って言った。
「スタジオだよ」- 92 -
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