「また……そうやって置いていくんだ」


雲雀の口元だけが、パクパクと動かされる。

実際はほとんど声になっていなかった。


「いつも君は…何も告げずに消える」


感情が溢れ、涙となって零れ落ちる。



「僕はもうすぐ死ぬだろう。だから…」


呟きながら、武の唇にキスを落とす。

武の頬から、一粒の滴が零れ落ちた。



「また……来世で逢おうか」



そう言うと雲雀は、パタリと眠りについた。



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