「そう」


「いかに望まない運命があろうと…な」



急に、武の口が不気味に歪んだ。


ボキッ…


続けて、何かが砕けるような音がした。


「ヒ…バ……リ…」


振り返ると、武がこちらに手を伸ばしている。


華奢な唇から、血が滲んでいた。


僕は彼の手を掴もうと、必死に手を伸ばした。



「たけ…」


ベキッ…


不穏な音と共に、僕は意識を失った。



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