嘘だ…
雲雀は目を見開いたまま、口の端を緩く吊り上げた。
「君…とんでもない間違いだよ」
「……え…」
「“これ”は山本じゃない」
「……ヒバリさん?」
「“これ”は…僕の知ってる山本武じゃない…!…本物はまだ出掛けて…」
「ヒバリさんッ!」
沢田が辛そうに、雲雀の背中の布を掴んだ。
「正気になってください、本物です!本物なんですよ!!」
綱吉は大粒の涙を流し、ぐいぐいと雲雀の身体をシャツ越しに揺らす。
「…や……マ……ッ」
声が掠れ、ひっくり返った。。
雲雀はがくりと項垂れ、山本の死体にすがり付くように身を倒した。
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