二人分の世話しない息遣いが、二人の合わせた肌から生じる熱が、部屋を満たす。さっきから私の世界は真っ白な天井と、紫色の髪の毛。 もう私たちは繋がっているのに、私を離さないよう首筋に吸い付く彼は必死になっているように思えて、今行われている行為の当事者だというのに、私は何だか滑稽に感じた。 「月子…っ、月、子…」 腰を私に打ち付けながら、首筋を愛撫し、時々譫言のように私の名前を呼ぶ彼が今度は愛おしく思えた。 「つ、ばさ、く…」 私の声にぴくりと反応してゆっくりと顔を上げた翼くんは目が合ったと同時に今度は私の唇に吸い付いた。 「んっ……」 結構な勢いのため歯が少しカチッといったような気がしたけど、そんなこと気にする暇なんてないほど性急に口腔内を舌で掻き回される。 寂しい、のかな…。 結局客観的に行為を見ている自分がいて、主観なんてとうに飛ばされたから仕方ないのかな、なんてまた客観的に思った。 こうやって翼君が私を求めるときは、寂しさを感じたとき。前にもこういうことがあって、終わってからものすごい勢いで謝られた。 『ごめんちゃい、ごめんっ……。』 あのときの翼君の顔は今でも鮮明に覚えてる。申し訳なさそうにしていながらも、身体的にも精神的にも満たされたような、そんな顔。 本当はそんな顔を見てしまったら普通、女の人は散々振り回しておいて、と憤るだろう。 だけど私は違う。私は、翼君のことが、好きだから。 だからしょうがないと思ってしまって、彼が満たされたなら、と思ってしまう。 好き好んでいるわけではないよ、でも、私は。 好きだと言えたらどんなに楽か (だから嫌なところも苦手なところも全部全部愛したいの) kokurann様へ request thanks! 2011/09/15 |